経済産業省と特許庁による「デザイン経営」宣言が出されてから数ヶ月が経過した。
個人的には、昨今の「デザイン思考」ブームには距離を置いているが、「デザイン経営」はウォッチし続けている。
まぁしかし、この「デザイン経営」という概念もまた、広範で捉えところが無い。
仲間と話していても「デザイン経営」についての概念は様々だ。
そこで、今回は「デザイン経営」について、紹介と自分なりの見解を少しだけ話してみたい。
そもそも「デザイン経営」宣言とは?!
http://www.meti.go.jp/…/20…/05/20180523002/20180523002-1.pdf
宣言を受けて、特許庁はデザイン統括責任者(CDO)を設置。(2018年8月)
http://www.meti.go.jp/…/2018/08/20180809002/20180809002.html
「CDOを設置し、デザイン経営プロジェクトチームを設置。
各種行政サービスの改善に、一貫性と継続性を持ち、ユーザー目線で行政サービスを刷新し、利便性向上と知的財産の強化を実行する。」
個人的にクリエイティブ感覚の無いプロダクトやサービスにワクワクしないタイプなので、経営や戦略にクリエィティブな匂いのしない会社や人に興味がどうも湧かない。
一方で、クリエィティブ=マーケティングとも捉えていた時期もあるが、どうもそれだけではカテゴリとして違和感を感じていた。
そんな中で「デザイン経営」というワードは、個人的にちょっとしっくりきた。
広範な意味でのクリエィティブやデザインという言葉が、ここ数十年で変化したと実感している。上記の「デザイン経営」宣言を読んでも、マーケティング用語が頻出する。
ブランド、ブランディング、カスタマージャーニー、インサイト等。
更に、ITやIOT領域のテクノロジーとも共存し、経営をデザインする。
MBA取得時にも感じていたが、経営に近い人は左脳派の人が圧倒的多数だ。
私としては、ド右脳派な為、MBAに求められるほとんどの左脳的なアプローチが斬新で、とても勉強になった。(=とても苦手分野で辛かったとも言える)
皆、めちゃくちゃ頭が良く、偏差値も高く、頭脳明晰、キレッキレな人材が多かった。
一方私は、どうしても右脳的な(もしくはマーケティング的な)アプローチで物事を捉えがちで、ひねくれた論理展開になってしまう。
ちょっと浮いた存在だったように思う。
元音楽家だったからなのかは不明だが、私の存在価値はその「浮いてる感じ」だと大学院にいた途中から感じていた。
それを式にすると「デザイン(クリエィティブ)×経営」となる。
ぼんやり在学中に、これが自分の強みなのかなぁ、と漠然と考えていた。
だってみんな頭良すぎだもん。
私はどんなに背伸びしても、そんな人材にはなれません。
私は「私っぽくいこう」と思った瞬間とても気が楽になったのを覚えている。
つまりは、MBAではデザイン(クリエィティブ)的なアプローチは少ない。
それこそ最近は、デザイン思考や様々なクリエィティブな要素も増えてきてはいるが、まだまだ少ない印象だ。(リベラルアーツの重要性が言われているのとはちょっと議論が違うと個人的には感じている)
優秀な先生方は、クリエィティブやデザインの重要性を語っていたが、全体としては少数派だろう。
そんな肌感の私にとってみると「デザイン経営」という言葉は、しっくりくる。
マーケティングディレクター、コンサルタント、デザイナー、アジャイルコーディネーター、音楽プロデューサー、プロダクトディレクターみたいな、商品やサービスに対してクリエィティブな発想と経営ができる人材がいたら、これは確実に強い。
武蔵野美術大学が新学部を開設。
造形構想学部、クリエィティブイノベーション学科。
創造的思考力をキーとし、デザインとビジネスを連結させ、学ぶ学科らしい。
https://partner-web.jp/article/?id=1574
https://partner-web.jp/article/?id=1655
面白そう。経営とデザインのどちらの領域にも通ずる人材を育てたいとのこと。
「デザイン経営」が一過性のブームでなく、浸透して行くことを期待したい。
ブランドの重要性、差別化戦略、ニッチ戦略にも「デザイン経営」は通じてる気がする。
私も、右脳と左脳を横断できる人材になりたいもんだ。
その他、下記「デザイン経営」についての記事。
http://lab.astamuse.co.jp/entry/desigin-keiei-sengen